口内炎を防ごう 抗がん剤治療中のマウスケアと相談場所
抗がん剤治療中は口内炎ができやすくなります。口内炎ができると食事も取りにくくなります。毎日の歯みがきにプラスして対策してみましょう。口内炎ができる理由と、効果的なケア方法をご紹介します。
- どうして口内炎ができるの?
- 口内炎を防ぐコツ?
- 口内炎ができてしまったら
1 どうして口内炎ができるの?
口内炎は、口の中にできた傷口への感染症です。
口内細菌(口の中に普段からいる細菌)が口の中の傷に感染を起こします。口の中は気づかないうちに小さな傷がつくのですが、普段は自分の免疫が働いているので口内炎は起こりにくいし、すぐに治ります。治療をしていなくても、体力が落ちた時や口の中を噛んでしまったときなど、免疫が下がったり大きな傷がついたときに口内炎は起こりやすいです。
抗がん剤治療を始めると、お薬に反応して一定の時期に白血球数が下がります。白血球は細菌などと戦う役割をしていますので、そこが弱くなってしまうと口内炎が起こりやすくなります。そのため、抗がん剤治療中は口内炎の原因になる口の中の細菌を減らす口内炎対策が有効です。
2 口内炎を防ぐコツは?
コツは、この3つです。
①唾液を出す
②傷をつくらない
③口の中を清潔に
①唾液を出す
唾液は口の中の菌を増やさないために大切です。耳の下や口の周りをやさしくマッサージすると、唾液を出す唾液腺が刺激されて、唾液が出やすくなります。また、水分をこまめに取ること、うがいをすることも効果的です。
②傷をつくらない
傷つけないために、口の中を噛んだり傷つけないように気をつけてください。とはいえ、なかなか難しいですね。歯並びや噛み癖で口の中を傷つけやすい方はいつもより少し気をつける、硬いものを食べる時は気をつける、ちょっとした気遣いで傷を防いでください。同時に、歯ブラシで歯茎を傷つけないように、柔らかい毛の歯ブラシを使うのがおすすめです。歯間ブラシも芯の部分に金属のない、全体が柔らかいタイプがあります。また、歯茎が腫れている、出血が気になるような時にも柔らかいタイプがおすすめです。
③口の中を清潔に
口の中の菌の数を減らすことも効果的です。口全体を清潔に保つ作用のある、殺菌作用のあるマウスウォッシュや液体ハミガキがあります。口全体に効果がありますし、歯磨きチューブよりも泡が立ちにくいのでじっくり磨くことができます。
3 口内炎ができてしまったら
できた口内炎はできるだけ触らず、うがいをして、口の中を清潔に保つようにしましょう。ビタミン類を取るのも効果的です。液体ハミガキやマウスウォッシュなどの薬用マウスケアも併用するといいでしょう。
相談場所ですが、まずは自分が治療を受けている病院に聞くことが一番です。今の体のことを一番理解している場所です。まずは、病院に受診した時に相談してみてください。サプリメントを補助的に使う時は、お薬との飲み合わせがありますので、薬剤師さんに確認していただくことをおすすめします。一番いいのは、お薬を処方してもらっている調剤薬局か院内薬局に聞くことです。セルフケアについては、化学療法室やがん相談支援センターの看護師さんに聞いてみることをおすすめします。
体調が崩れやすく、また吐き気や味覚の変化で食事が取りにくく、栄養バランスが崩れがちな時期。上手に口腔ケアをして、栄養をとって、ゆっくり休んでください。口の中が痛いのは嫌なものです。ケアしながら、できてしまったら上手につきあいましょう。