病気になると、少しでもなにか自分の体にいいものはないか、だめなものは何なのか、どうしたらいいのか不安になり、正解のルール探しが始まります。その中でも、みなさんが日常何気なく食べているものや使っている身の回りのものが、がんを進行させると言われたら、不安になるものです。

ネット上には、がんに良くない、がんを治すという情報がたくさんあります。まず検索をしてみても、情報がたくさん出てきます。

今回は、よくある迷信について、医学的な証明をもとに解説します。

 

よくある質問
  1. 甘いものはNG?
  2. がんを治すハーブがある?
  3. 副作用との飲み合わせ・食べ合わせを相談するなら
    気になることは薬剤師さんに相談してみよう

1 甘いものはNG?

甘いものはがんを進行させる?答えは「いいえ」です。

糖分の摂取ががんを進行させることや、糖分摂取制限でがんを小さくしたり消滅させる根拠はありません。

この話は、どうやらがん細胞は通常細胞よりも糖分をたくさん使うことから出てきたようです。たしかに、がん細胞はくいしん坊で、エネルギーをたくさん使って、どんどん増えていく性質をもっています。しかし、食べたものが直接がん細胞に注ぎ込まれるわけではなく、消化吸収によって全身に運ばれていきます。糖分は、健康な細胞を育てることにも使われています。

とはいえ、食べすぎには注意です。肥満はがんの発生リスク(がんになる可能性)を上げることがわかっています。糖分のとりすぎは肥満を招くので、美味しいものも腹八分でほどほどに。最近は糖質制限ダイエットなどで有名になりましたが、糖分は甘いものだけでではなく、パンやお米にも含まれています。食べすぎに気をつけて、バランス良く食事を楽しんでください。

2 がんを治すハーブがある?

答えは「いいえ」です。治療に効果があることを証明されたハーブはありません。

ハーブティやアロマオイルなど、ハーブは身近です。普段からアロマに癒されたり、ハーブティを楽しんでいる方も多いでしょう。そのリラックス効果などから、副作用を和らげる効果は証明されています。ハーブはがんを治すことは証明されていませんが、治療中の生活の質(QOL)を上げてくれます。

注意点として、ハーブの中には、治療の妨げになるものもあるようです。化学療法(薬物療法)や放射線療法を行う間にハーブを使いたい方は、治療を行う医療チームにご相談ください。

残り12個の迷信は、こちらからどうぞ。

がん医療情報リファレンス”がんに関するよくある迷信と誤解”
[blogcard url=https://www.cancerit.jp/60031.html]

3 気になることは、薬剤師さんに相談してみよう

お薬との組み合わせについて質問すべきエキスパートは、薬剤師です。薬の飲み合わせはもちろん、副作用を防ぐための食べ合わせ・飲みあわせについて相談ができます。実はサプリメントを飲んでいるんだけど、というお話をよく聞きます。医師や看護師に言いにくい場合は、薬剤師さんに聞いてみてはいかがでしょうか。実際に飲んでいるものがある場合は、ぜひ現物を持っていってください。

こっそり飲んでいるから怒られるかも、と心配しないでください。教えてくれたことに感謝はされても、怒られることはありません。もしも飲み合わせが良くない場合は、理由も含めて丁寧に説明してくれるはずです。一番よくないのは、なんとも無いからなんとも無い、と今症状がないからとこっそりと飲み続ける、使い続けることです。

医療者は、皆さんの治療の味方です。本当のことを話して一緒に治療に向き合ってくださいね。

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