現在がん治療は、できるだけその人らしい生活を続けながらがんの治療を行うことができるようになってきました。患者さんのための乳がん診療ガイドラインでも、特に医師の指示がなければ、自分の体調と必要にあわせて、仕事や生活、旅行などの外出してくださいと説明されています。

治療中も自分らしい毎日を続けていくコツを紹介しますので、自分ならどうするかを考えてみてください。そして、実際に治療をしている病院で相談してみてください。治療と自分のスケジュールを調整することはワガママではなく、治療後も自分の人生を続けていくためにとても大切なことです。遠慮せずに思いを伝えてくださいね。

1 自分の受ける治療と予測される副作用を確認しよう

自分が受ける治療と副作用の予定表を確認しましょう。予測される副作用がいつ頃どんなことが予測されるのか、仕事や予定の調整は必要なのかについて聞いてみてください。治療による副作用の他に、手術をした後、体の変化で気をつけることがある場合があります。例えば乳がんの手術後に手術をした側の腕が上がりにくくなる、子宮がんの手術の後に足がむくみやすくなる、などがあります。

2 自分の生活スケジュールを調整しよう

自分の副作用の可能性についての情報が整理できたら、自分の生活スケジュールと照らし合わせてみてください。自分の生活の中で、調整したほうが楽に過ごせることで、調整が可能なら、時間を減らしたり時期をずらすことも検討してください。副作用スケジュールがわかると、調子のいいタイミングで旅行などを楽しむ事ができます。スケジュールの調整についても、治療をしている病院で相談してみてください。

3 仕事の調整と伝える範囲

病気のことを伝えたくない、心配されるのが嫌だという方もいます。実際、企業で働く人200人に行ったインタビュー調査では、伝えることで自分の待遇が変わるのではないか、同僚に迷惑をかけるのではないか、心配されて居心地が悪くなるのではないか、など多様な心配事が出てきました。

それでも、自分の直属の上司とフォローをしてもらう人には伝えることを、私は強く勧めています。

時代とともに、病気とともに働くひとへの支援が整ってきました。理解をしてくれる人も増えてきています。あなたの治療中には、どうしても調子が悪くなることや助けが必要な場合があります。どこまで話すか、誰に話すかを含め、社内の信頼できる人に相談してみてください。

どんなふうに話すか、どんな支援制度があるのかについては、病院内にある「がん支援相談室」に相談してみるといいですよ。制度についての資料もここにあるはずです。

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4 大事なことは、自分の人生を続けることです

迷惑をかけるのではないかと遠慮しがちになりますが、いちばん大事なことはあなたが治療を予定通りに続けながら、あなたの日常生活を生きていくことです。心無いことを言う人もいるかも知れませんが、ここはぐっとこらえて「そういう人もいるよね〜」と受け流してみてください。今の日常生活に全力投球してください。応援しています!

情報引用元

患者さんのための乳がん診療ガイドライン2019の内容をまとめました。詳細はこちらからご覧いただけます。

Q58.治療中や治療後の生活の注意点を教えてください。 | ガイドライン | 患者さんのための乳癌診療ガイドライン2019年版

A.医師から特に指示がない限り,生活上の制限はありません。ご自身の体調に合わせて仕事をしたり旅行をするなど,無理のない範囲で今まで通りの日常生活を送ってください…


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