その人に合ったがんの治療法を見つける方法の一つに、がん遺伝子パネル検査があります。がんの遺伝子を検査して特徴を見つけ、そのがんをピンポイントで治療する方法です。現在のところ、がん遺伝子パネル検査は全ての人に向いているとは言えないようです。ここでは、この検査がどんな人に向いていて、保険適応なのか、保険に適応しなくても自費で受けたい場合はどうするのかについてをまとめました。

目次

  1. がん遺伝子パネル検査は、遺伝子の変化しているところを探す検査です。
  2. どんな人が、いつ、受けられるの?
  3. 自費でも受けたい!そんな方へ
  4. 自費の場合、金額は大体50−100万円以上でした。
  5. 免疫、遺伝子、ゲノム、という言葉に惑わされないで 未承認の治療を考える前に
  6. 参考URL

がん遺伝子パネル検査は、遺伝子の変化しているところを探す検査です。

がん細胞の一部を採取して、そこから遺伝子の情報を解析します。がんは遺伝子の変化で発生しますから、その遺伝子の変化を見つけようという検査です。

検査はこのように進みます(代表的なもの)
がんの細胞を採取する→遺伝子を分析する専門機関で分析→その結果を踏まえて専門家たちで議論→有効だと考えられる治療法を探す→治療する

どんな人が、いつ、受けられるの?

がん遺伝子パネル検査は保険診療で受けられます。保険診療の場合は、以下の条件があります。

標準治療を終了していること、固形がんであること、この2つが大きなポイントです。標準治療がない、不明であるがんは、最初から適応になるようです。

  • 標準治療がない(希少がんなど)
  • 局所進行または転移があり、標準治療が終了した
  • 標準治療が終了が見込まれる
  • 病理組織学的検査によって悪性腫瘍と診断された
  • 原発不明がん
  • 血液がん以外
  • がん遺伝子パネル検査後に薬物療法の適応となる可能性が高いと主治医が判断した

がん遺伝子パネル検査を保険診療で受けるためには、「標準治療がないまたは局所進行または転移が認められ標準治療が終了となった固形がんの患者さん(終了が見込まれる方を含む)」である必要があります。どの段階で標準治療が終了(もしくは終了見込み)なのか、患者さんの全身状態が検査を受けられる状態かなどを担当医が見極めた上で、がん遺伝子パネル検査を受けられるかどうか判断します。

標準治療実施前の場合や血液がんの場合、全身状態が思わしくない場合は検査を受けることができません。(2024年5月1日現在)

検査を受けたいときは|がんゲノム医療とがん遺伝子パネル検査|国立がん研究センター がんゲノム情報管理センター(C-CAT)

検査を受けたいときはのページです。C-CATはがんゲノム医療の拠点として、その情報を集約・管理し、適切に利用することを目的とした国の機関です。

自費でも受けたい!そんな方へ

保険診療の枠には入らないけれど、自分は自費でがん遺伝子パネル検査を受けたい!という方もいらっしゃると思います。藁にもすがる気持ちの時に、ダメと言われてもなんでもやってみたい気持ちの方もいらっしゃると思います。検査自体は、保険診療外でも受けられる病院があります。厚生労働省の先進医療を実施している病院リストには、正しい精度で自費検査を行うことができる病院が公開されています。

ただ、見ていただければわかる通り、どの検査を受けたらいいのかよくわからないと思います、笑!ですから、主治医に相談してみてください。自費で遺伝子検査を受けたいんだけど、どこで何を受けたら良いですか、と聞いてみてください。

先進医療を実施している医療機関の一覧|厚生労働省先進医療を実施している医療機関の一覧について紹介しています。www.mhlw.go.jp

自費の場合、金額は大体50−100万円以上でした。

リストから大学病院を中心に検査費用を確認したところ、大体50−100万円以上の金額が表示されていました。金額はこのくらいかかるようです。がん遺伝子パネル検査を実施する大学病院のほとんどには、2−5万円で受けられる事前カウンセリングのメニューがありました。まずはこちらを利用されてみてはいかがでしょうか。

自費でのがん遺伝子パネル検査については、国立がん研究センター中央病院のページに詳しくまとめられています。

よくある質問国立がん研究センター 中央病院のホームページです。www.ncc.go.jp

免疫、遺伝子、ゲノム、という言葉に惑わされないで 未承認の治療を考える前に

がん治療、特に自費診療や医療ではないが効く!という話はネット上にたくさん溢れています。本当にうまいこと書いてあるなぁ。。。と感心するPRページがたくさんあります。藁にもすがる思いのとき、思わず信じたくなる気持ちはわかります。でも、その前に、もうちょっと効果的に治療する方法もあるかもしれません。主治医に相談するか、がん相談支援センターなど、がん医療のことがわかる専門職にご相談ください。

3)インターネットの情報について
インターネット上には信頼できる情報もある一方で、効果が科学的に証明されていない自由診療で行われる治療や医療に関する情報もあります。インターネット上の遺伝子検査の情報には、信頼性に欠けるもの、心配や不安をあおるもの、自由診療を行っている施設の広告なども含まれるため、慎重な確認が必要です。

数ある情報に迷った時には、ひとりで悩まずがん診療連携拠点病院などに設置されているがん相談支援センターにご相談ください。

https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/genomic_medicine/gentest02.html

参考URL

がん医療における遺伝子検査 もっと詳しく:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]国立がん研究センターが運営する公式サイトです。ganjoho.jp

よくある質問国立がん研究センター 中央病院のホームページです。www.ncc.go.jp

がんゲノム医療とがん遺伝子パネル検査|国立がん研究センター がんゲノム情報管理センター(C-CAT)国立がん研究センター・がんゲノム情報管理センター(C-CAT)が提供する「がんゲノム医療とがん遺伝子パネル検査」サイトですfor-patients.c-cat.ncc.go.jp

Follow me!