がんゲノム医療の目的は性質に合った治療をすることです。がん細胞の遺伝子を調べることで、がんの特徴がわかり、その特徴に合った治療を見つけることができるかもしれません。しかし、デメリットもあります。ここではがんゲノム医療の話と、DNAを知るメリットデメリットについて解説します。

目次

  1. DNAは体の設計図
  2. DNAでわかること
  3. DNAがわかるメリット
  4. DNAがわかるデメリット
  5. がんゲノム医療におけるメリット
  6. がんゲノム医療におけるデメリット
  7. DNAを使ったゲノム医療は万能ではないが、未来の可能性を広げる治療
  8. 参考URL

DNAは体の設計図

まずDNAについて簡単に説明させてください。DNAは4種類の塩基の組み合わせでできた2つの鎖がねじれながら並んでいるものです。この組み合わせのパズルがその人の体の設計図で、これに沿ってからだが作られています。

DNAでわかること

DNAを解析すると、自分のからだの特徴がわかります。
例えば、このようなことがわかるようです。
・かかりやすい病気
・自分向きの生活習慣
・効きやすい治療方法
・遺伝病
・アレルギー

DNAがわかるメリット

・自分のからだに合った方法を見つけられる
食事も生活習慣も、病気の予防や治療も、効率的に良い方法に出会えるかもしれません。

DNAがわかるデメリット

・知らなかった頃に戻れない
最大のデメリットは、それを知ってしまったら、知らなかった頃には戻れない不可逆性があることです。DNA検査では、いい事ばかりではなく、悪いこともわかります。

・不要な心配が増えることも
いますぐに治療が不要な、ひょっとしたら一生発症しないかもしれない病気のリスクなどもわかってしまうかもしれません。

・倫理的な問題
今の社会で役立つような能力を持つ有利な遺伝子がある一方で、その逆で自分の遺伝子は不利になるようなものかもしれません。遺伝子情報が公開されることで、人間の優劣がつけられるような可能性もあります。例えば、入試でDNAを元に採点されることや、今の社会の中で不利な遺伝子を持つ人は排除されていくかもしれません。

がんゲノム医療におけるメリット

その人のがんの特徴がわかることで、そのがん細胞に効果の高い治療方法が見つかる可能性があります。

がんゲノム医療におけるデメリット

これはデメリットというか、現時点では限界があります。現在がんゲノム医療でDNAを調べて、実際に治療にたどり着ける人は10〜20%程度です。2019年のデータでは、治療まで辿り着いたのは805人中88人、約11%でした。

そのほか、治療の適応がない、というがっかり感や、体力の負担などもあります。

DNAを使ったゲノム医療は万能ではないが、未来の可能性を広げる治療

がんのみならず、病気の治療法を選ぶ時にはメリット・デメリットをよく考えて、と言われますが、その時になればデメリットなんて小さなものに見えるのだと私は思います。もっとこれが進んで、多くの人が恩恵を受けられる未来になることを祈っています。

参考URL

がん医療における遺伝子検査:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]国立がん研究センターが運営する公式サイトです。ganjoho.jp

がんゲノム医療とがん遺伝子パネル検査|国立がん研究センター がんゲノム情報管理センター(C-CAT)国立がん研究センター・がんゲノム情報管理センター(C-CAT)が提供する「がんゲノム医療とがん遺伝子パネル検査」サイトですfor-patients.c-cat.ncc.go.jp

JSGCT 日本遺伝子細胞治療学会 公式サイトページの説明文www.jsgct.jp

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