がん患者さんとお話をしていると、約半分くらいの方が何らかのサプリメントを飲んでいます。そこで、サプリメントや針・きゅうなどの身体療法は、どう使うと効果的なのかを考えてみました。

実際のところ、半分以上の人がチャレンジしている。

統計情報を調べてみると、厚生労働省の統合医療に関する情報ページ「eJIM」(いーじむ)によると、65%の人が何らかの補完療法を使用したことがあるそうです。これは海外の研究結果ですが、現場で患者さんとお話をしていると、日本もあまり大差がないように感じます。少しでも健康に良いことをしたい、症状を緩和したい、そんな気持ちは世界共通ではないでしょうか。

がんと診断された人の多くが補完療法を使用しています。アメリカ人による補完療法の使用に関する包括的なアンケート調査を含む2007年に実施された全国健康問診調査(National Health Interview Survey、NHIS)によると、がんと診断されたことのある回答者の65%が補完療法を使用したことがあるという結果でした。がんと診断されたことのある人は、全般的な健康、免疫の強化および疼痛管理のために、がんと診断されていない人よりも補完療法を使用している可能性が高いことがわかりました

(引用:厚生労働省eJIMがんと心身療法に関する情報よりhttps://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c05/01.html)

統合医療を簡単に説明

せっかくあるのだから、上手に使って体調を整えたいですよね。そのためには、まず基本の情報を整理しましょう。できるだけ簡単にいきます。

  • 根拠のある近代西洋医学をベースにしましょう
  • 組み合わせとして、補完代替医療を検討しましょう
  • 組み合わせに問題がないか、必ず担当医師に確認しましょう

『これまでの議論の整理(2013(平成25)年2月「統合医療」のあり方に関する検討会)』より抜粋

健康食品は、健康な人が使うもの。治療中には注意が必要です。

この話をすると、健康食品やサプリメントはお薬ではありません。だから、別に、自由に食べたり使ったりすれば良いですよね、と聞かれます。いえ、違うんです。これは、「健康な状態の人が、何らかの良い効果を期待して食べるもの」です。もしあなたが何らかのお薬を飲んだり治療をしていたら、期にしてほしいことがあります。

① 治療薬との飲み合わせや食べ合わせ。

サプリメントは食品の成分をぎゅっと小さく濃縮しています。食事ならば沢山の量を一度に取ることは難しい量を、一度に手軽に取ることができます。食事では一気にとれないから問題にならなくても、サプリメントだと飲めちゃうのです。だから、食品といっても身体に影響が出やすいものだと考えられます。

② 中身の信頼度。

薬とサプリメントでは製造工程のルールが違います。そのサプリメントには、有効成分の他にどんなものが含まれているか、よく確認してください。粉をサラサラにする素材、固める素材、色を付ける素材など、健康食品のルールは、薬のルールに比べるとずっと緩いのです。

効果はあってもなくても、できることを何でも取り入れたい気持ち。医療者は理解しています。

何を食べてもいいし、サプリメントも飲み合わせの問題がなければいいですよ。殆どの場合は、問題がありません。ただ、問題なしとありの境目がわかりにくいのが代替療法の判断の難しいところです。ですから、まずは聞いてみてください。怒られたり、笑われたり、そんなことはありません。医療者はあなたの味方です。

わかりやすい、正しい統合医療に関する情報サイト「eJIM」(イージム)

イージムは、厚生労働省が統合医療に関する情報をまとめたサイトです。がん、というキーワードで調べると、がんと統合医療に関する情報をまとめて読むことができます。海外の情報も豊富です。

厚生労働省eJIM(イージム:「統合医療」情報発信サイト)は、民間療法をはじめとする相補(補完)・代替療法*と、どのように向き合い、利用したらよいのかどうかを考えるために、エビデンス(根拠)に基づいた情報を紹介しています。決して個人の責任で実施するさまざまな療法を制限するものではなく、また特定の療法を勧めるものでもありません。*相補(補完)・代替療法: 近代西洋医学と組み合わせられる各種療法

https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/index.html

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