大切な人ががんになったら、何かお役に立ちたいと情報を調べたり、その方がいいと考えるものをオススメしてくれる場合があります。本当にありがたいのですが、それはできないとお断りするのはストレスのかかる行動です。そこで、がん患者が不確かな情報や提案に対処する際に、より実行しやすく、ストレスを少なくする方法を考慮することは大切です。ここでは、患者自身が実行しやすい、より優しい対応策をまとめました。

はじめに

気にかけてくれた人への対応を遠慮することは、申し訳ない気持ちや、断ることへの負担感を感じることがあります。それは多くの人が同じように感じていることで、相談の多いテーマです。それについて、以下の文章は国立がん研究センターのがん情報サービスに掲載されています。

民間療法が自分にとって本当に必要なものかどうかを考えてみましょう

がんの治療中には、ご家族や周りの人から、特定の民間療法を勧められることがあるかもしれません。民間療法は、がんそのものへの効果が証明されていないだけでなく、中には、とても高額なものや、がんの治療に悪影響を及ぼすものも含まれている可能性があります。大切に思ってくれている人からの勧めであったとしても、その民間療法が自分にとって本当に必要なものかどうか、考えてみることが大事です。

https://ganjoho.jp/public/dia_tre/cam/health_food_products.html がん情報サービス がんと民間療法(健康食品・サプリメント・食事療法を中心に)

民間療法を勧められたときの断り方の例

  • 私のためにありがとうございます。私の治療に使ってよいか、担当の先生に確認してみます。
  • 調べてくれてありがとうございます。がんの治療に影響しないか、病院で聞いてみます。

1. 感謝を表しつつ断る

  • 「情報を共有してくれてありがとう。私の治療チームと相談して決めたいと思います」と言うことで、感謝の意を示しつつも、自分の治療方針を守ることができます。

2. 時間を要求する

  • 「その提案についてもう少し考えてみますね」と言うことで、すぐに反応する必要性を回避し、自分自身に時間を与えることができます。

3. 「今は大丈夫」というフレーズを使う

  • 「今はその種の情報を探していないのですが、ありがとうございます」と伝えることで、優しく提案を断ることができます。

4. シンプルに「ノー」と言う

  • すべての提案に対して詳細な説明をする必要はありません。「いいえ、ありがとうございます」と簡潔に断ることもできます。日本人にはちょっと難しい方法ですが、断れる方はぜひシンプルに断って下さい。

5. 医療チームへの相談を強調

  • 「その情報について、私の医療チームに相談してみます」と伝えることで、他者の提案を尊重しつつ、最終的な決定権は自分と医療チームにあることを強調できます。

6. サポートの種類を指定する

  • 「実は、今私が一番必要としているのは、ただそばにいてくれることや話を聞いてくれることです」など、自分の欲しいものはあなたが話を聞いてくれることなのだと伝えるなど、具体的なサポートの形を提案者に伝えることができます。
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7. 主治医の指示を引用する

  • 「私の主治医から、今の方法に集中すべきだと説明されています。他の方法を試すことは勧めていません」と伝えることで、自分の選択を医療専門家の意見に基づいていることを示すことができます。

8. オンラインリソースを共有

  • 提案を受けたときに、すぐに反論するのではなく、「私が情報を得ている信頼できるサイトを共有できますよ」と提案し、信頼できる情報源を共有することで、話題を変えることができます。
厚生労働省eJIM | 「統合医療」情報をエビデンスに基づいて紹介[一般]

「統合医療」情報発信サイトは、民間療法をはじめとする相補(補完)・代替療法*と、どのように向き合い、利用したらよいのかどうかを考えるために、エビデンス(根拠)に基づいた情報を紹介しています。決して個人の責任で実施するさまざまな療法を制限するものではなく、また特定の療法を勧めるものでもありません。 ※相補(補完)・代替療法:近代西洋医学と組み合わせられる各種療法

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