がんのことをオンラインで調べるのは、とても大変です。とにかく情報量が多い。
患者さんたちとお話をすると、多くの患者さんが検索をしても何が正しくて、どこに欲しい情報が有るのかわからない、という言葉をよく聞きます。そこで、更新されていて、内容も信頼おける公共のデータサイトをまとめてみましたので、参考にしてください。
- 日本のがん治療情報 国立がん研究センター
- 世界の情報を知りたいなら がん情報サイト
- ネットの情報は必ず確認を
1 日本のがん治療情報について
国立がん研究センターが運営する、がんに関する情報を一元化したサイトです。医療者向け、一般の人向けにサイトは分けられています。一般の方も医療者向けの情報を読むことはできます。全体的にとてもわかり易く書かれています。
がんの種類別に、そのがんはどんなものなのかを解説したページ「がんの解説」には、診断から療養生活まで、一通りの情報が書かれています。また、相談窓口や先輩患者さんのお話など、最初の頃に欲しいと思う病気に関する情報が一通り詰まったページです。
国立がん研究センター がん情報サービス がん情報.JP
[blogcard url=http://ganjoho.jp]
小児がんについては、別のページが用意されています。
[blogcard url=https://ganjoho.jp/child/cancer/index.html]
2 世界の情報が知りたいなら がん情報サイトへ
ここは、アメリカの国立がん研究所(NCI)が配信しているデータを、日本語に翻訳して掲載しています。国立がん研究センターの情報サイトよりも、もう少し深く病気の治療などについて書いてあるページです。がんの種類別に最新の治療情報を読むことができます。また、出典(どこで発表されているのか)を遡ることもできます。
がん情報サイトは、米国国立がん研究所(NCI)が配信している世界最大で最新の包括的ながん情報データベースPDQ®(Physician Data Query)の日本語版をはじめとする、がんに関する最新情報を配信するサイトです。
がん情報サイト
https://cancerinfo.tri-kobe.org/
このサイトはアメリカの情報のため、アメリカ国内の医療事情に合わせた情報もあり、日本国内では適応されないものもあるようです。興味のある部分があれば、主治医に相談してみてください。
3 ネットの情報は、必ず確認を
インターネット検索はとても便利で、たくさんの情報にアクセスすることができます。患者さんのブログや、コミュニティサイトは人気の情報源です。また、たくさんのまとめサイトも作られています。ここもその一つですね。
たくさんの情報からある程度わかりやすくまとめてくれてある「まとめサイト」はとても便利です。また、わかり易く解説している「解説サイト」も、とても便利です。その一方で、その情報の確かさを確認する方法は、今のところ無いようです。
国立がん研究センターによる情報の正確さについての調査では、公正さや正確さを満たしていたのは50サイト中1サイトのみだった、という結果が出ています。
2016年4月20日の調査結果では、8つの条件をすべて満たしたのは50サイト中1件のみでした。8つの条件を見ると、それほど特別な、満たすことが難しい項目はないのですが、すべてを満たしたサイトが1件のみであったことから、情報提供のされ方は運営者に独自なものになっていることが示されました。
インターネット検索によって得られる「がんに関する情報」は正しいか
〜患者を不確かな情報に迷いこむ“がん難民”にさせないために〜
石川 文子 氏(国立がん研究センターがん対策情報センター がん情報提供部 研究員)
https://epilogi.dr-10.com/articles/2000
情報を読んで気になったことは、担当医や看護師に相談してみてはいかがでしょうか。みなさんの医療チームは、専門家の集団で、一番の応援団です。ページをプリントアウトする、スマートフォンでページをスクリーンショットして見てもらう、などそのページを共有し、内容を確認してもらいましょう。
国立がん研究センターでは、正しい情報を見極めるポイントを発表しています。参考にしてください。
情報を探すときのポイントとは 国立がん研究センター「がん情報.JP」
https://ganjoho.jp/public/support/moshimogan/moshimogan03.html
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。