喪失感を受け入れるまで、がん患者さんはどんな気持ちを体験するのか。 がん患者さん専門の精神科医が患者さんとのやり取りから学んだことを読んでみよう

がんはこころにも影響のある病気で、がん患者さんの心のケアを専門とした精神腫瘍科(サイコオンコロジー)があります。この本を書いた清水研医師は、がん研究センター中央病院にで3500人以上の患者さんとお話をする中で気づいたことや学んだことがあったそうです。それを読みやすい文章でまとめた1冊です。

まだあまり心が落ち着かず、死のことを考えるのは嫌だ、という方にはあまりおすすめできません。もう少し落ち着いてから読んでみてください。がんばれ、という内容は一つも書いてありませんので、応援されたくない時期でも読みやすいと思います。

 

1 がんは、身体と心に影響があります

がんの患者さんたちには、がんに伴う様々なストレスを体験します。この本の中では大きく分類されていて、人生そのものに対する恐怖(死のこと)、身体的な辛さ(痛みやだるさ)、機能障害(人工肛門や失声)、ボディイメージ(乳房切除)、社会的問題(失職や学業の中断)、この5つが挙げられています。

この5つ自体がその人の命を奪うものではありませんが、身体も心も辛さを体験することになります。がん患者さんには治療とともに辛いことがある、それが当然だということです。

がん告知から1年以内の自殺率は、それ以外の人に比べて24倍というデータもあります。死にたい、辛い、という気持ちを持つ人は、専門家に相談してみてはいかがでしょうか。(相談先については、一番下にまとめてあります)

 

2 その辛さは、どこから来ているの?

本の中身は、患者さんとのお話と、その方が何に気づいてどう変わっていったのか、そこから筆者は何を学んだのか、についてが書かれています。いらいらをぶつける患者さんもいるし、前向きに一生懸命で自分の中に溜め込みがちで、ぎゅっとその気持を抑え込んでいるために気持ちの折り合いがつかず、なかなか気持ちが消化できない方もいます。この本では、その辛さや怒り悲しみなどの感情は自分の中のどこから来ていて、それを受け止める考え方ついても、優しい語り口で書かれています。

 

3 誰でも人生には終わりがやってくる。今日できることはなんだろう。

自分自身を苦しめている「〜でなければならない」という思い込みのことについても書かれています。がんは、自分の命や死について考える病気です。しかし、誰にでも人生には終りが来るし、病気にもなる可能性があります。毎日明日がやってくることは、当たり前ではないことに気づいた人たちの気持ちと行動の変化について書かれています。

 

4 がんの患者さんだけでなく、すべての人へ

読む人にお説教や、こうしなさいという教えを説く本ではありません。淡々と、患者さんとのセッションの中で精神腫瘍科の清水医師が受け止めたものが書かれています。どんなタイミングでも、読む人のその時の気持ちに沿うような本です。辛い時も、そうでない時も、読みやすい一冊です。

 

5 辛いときは、専門家に相談してみませんか

質問が浮かばなくても大丈夫です。その心のもやもやを受け止めてくれる相談窓口があります。誰でも利用することができます。利用料金は無料です。

心のもやもやを感じたら がん無料相談の窓口を使ってみよう

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