「何でも相談してね」と言われても、相談するのも説明するのも難しいと悩んでいませんか。人に話すと疲れる人もいます。

がん患者さんの相談を受ける仕事をしている私は、患者さんたちからこんな言葉を聞いてきました。相談しようと思っても、何をどう説明したらいいのか。順番に話すことが苦手、わからないことがわからない、とにかく不安、結局どうしたらいいのか教えてほしい。そうですよね、わかります。そんなときは、相談のステップと話しかけ方を知り、自分の相談はどのステップなのかを確認しましょう。相談できる場所を最大限活用してくださいね。

ここでは、自分の気になることや知りたいことが伝わり、自分も疲れない相談のコツをお伝えします。

相談の種類を知ろう 相談ステップガイド

実は、相談には色々な種類があります。まずは自分はどの種類の相談をしたいのか、確認しましょう。自分はどの段階にいるのかを理解して、感情や問題を整理していきましょう。

1. 感情の整理と認識(整頓の段階): 
 ”頭の中の整理をしたいので、話を聞いてほしい”と伝えましょう。

  • 自分の気持ちや感情を振り返りながら、今気になっていることや知りたいことをとにかく話してみましょう。言葉にして話すことで、何が悩みや課題となっているのか、感じていることを整理することをサポートしてもらえます。

2. 問題の具体化と明確化(具体化の段階):
 ”何を調べたらいいのか知りたい、どんな方法があるのか知りたい”と伝えましょう。

  • 自分が困っていることをサポーターや専門家に伝えられるように言葉にしましょう。漠然としたことを、具体的に明らかにすると、具体的な次の行動が見えてきます。

3. 情報の収集と理解(情報収集の段階):
 ”自分の知りたいことについて、その情報についての調べ方を知りたい”と伝えましょう。

  • 具体的な情報を集めましょう。信頼性のある情報源から情報を得ることで、正しい情報に早くたどり着けます。例えば、病院のがん相談支援センターがその一つです。このページの一番下にリンク集がありますので、参考にして下さい。

4. 選択肢の検討(選択の段階):
 ”具体的なサポートの利用方法について相談したい”と伝えましょう。

  • 実際に自分が使える方法の中から、自分にはどれが良いかを検討します。個別の相談では、ネットの情報や口コミだけではわからない、自分よりもよく知っている専門家や体験者の情報を聞くことができます。質問も遠慮なくしてみてください。

5. 行動計画の策定(行動の段階):
 ”これを試してみたいのですが、参加方法を知りたい”と伝えましょう。あと一歩です!

  • 決めた方法を実際にチャレンジするために、もし必要ならば相談を活用しましょう。たとえば、患者会(ピアサポート)に参加したいので予約方法を知りたい、などです。抗がん剤のスケジュールで調子が良い時期に参加したい場合など、治療計画と参加予定の確認をしてみてはいかがでしょうか。

人に話すと疲れる方へ 疲れないセルフコントロールのポイント5つ

  • 自分の限界を理解する: 自分の感情や体力の限界を理解し、それを他者に伝えることが大切です。話の途中でも、自分が疲れていると感じたら、無理を強いずに休むことが重要です。
  • 感謝の意思を伝える: サポートを受けた際には、感謝の気持ちをしっかり伝えましょう。相手が提供してくれたサポートに感謝することで、良い関係が築けます。
  • コミュニケーションの頻度を調整: 他者とのコミュニケーションの頻度を調整することが大切です。無理なく続けられる範囲で、適切な頻度を見つけましょう。あなたが主体です。
  • 個人的な情報の開示を検討: 自分の個人的な情報を他者に開示する際には、検討深く行いましょう。必要以上の詳細な情報は開示せず、自分が快適と感じる範囲で話すことが大切です。話したくないことは、話さなくても大丈夫です。
  • 質問への適切な対応: 他者からの質問に対して、答えられる範囲で答え、答えられない場合はそれを適切に伝えることが必要です。無理に答えず、それは今はよくわかりません、等、答えないこともあなたの権利です。

相談の前にキーワードで情報収集をしたい方へ

知りたいことがある程度明確なら、自分の気になることのまとめ記事を読んでみませんか。、スピークのコラムでは「がん患者さんによく聞かれること」をトピック別にまとめてあります。まずはまとめ記事を読んで、それから細かいことを調べると、効率的に検索できます。

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参考URL

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