がんと診断された瞬間、人生が変わることを感じるかもしれません。この大きな変化を、どう家族や友人など周囲と共有すべきかを考えてみましょう。周りの人や自分との関係性を考えながら、自分の場合はどうだろう、と考えてみてください。
話すことのメリット
- サポートが得られる:
- 病状を共有することで、家族、友人、同僚からのサポートを得ることができます。これにより、治療過程での孤独感が軽減される可能性があります。
- 状況を理解してもらえる:
- 周囲の人々があなたの状況を理解することで、必要な配慮や支援を提供しやすくなります。これにより、周囲も声をかけやすくなり、サポートしやすくなります。
- 治療中はどうしても周囲に頼ることが出てきます。その理由を先に共有しておくことで、周囲に話しやすくなります。
話すことのデメリット
これらは本来あってはならないものですが、残念ながら現実には体験される方もいます。
- プライバシーの侵害:
- 個人的な健康情報を共有することは、プライバシーに対する懸念を引き起こす可能性があります。情報が予期せず広がったり、残念ながら不適切に扱われたりする体験もあるかもしれません。
- 否定的な反応:
- すべての人が支援的であるとは限らず、病状を共有することで、無理解や偏見に直面する可能性があります。これは、追加的なストレスや感情的な苦痛を引き起こすことがあります。
- 職場での問題:
- 職場に病状を共有すると、仕事に対する誤解や将来のキャリアの機会に悪影響を与える可能性があります。雇用の安定性や昇進の機会に影響を及ぼす場合があります。
- 感情的な負担:
- 自分の病状を繰り返し話すことは、感情的に疲れることがあります。また、他人の反応に対処することもストレスの原因となる場合があります。
デメリットを避けるには
1. 対象者を慎重に選ぶ
- 信頼できる人々とのみ共有する: 自分の病状を共有する際には、信頼できる家族、友人、または同僚に限定することが重要です。サポートを提供し、プライバシーを尊重してくれる人々を選びましょう。必要以上に隠す必要はありませんが、公開する必要もありません。
2. 情報の量をコントロールする
- 必要な情報のみを共有する: 自分の病状について話す際には、必要最小限の情報のみを共有し、詳細は省略することが有効です。これにより、プライバシーを保護しつつ、必要なサポートを得ることができます。
3. プライバシー設定の利用
- ソーシャルメディアのプライバシー設定を活用する: ソーシャルメディアで情報を共有する場合は、プライバシー設定を適切に調整し、情報が意図した対象者にのみ届くようにしましょう。
4. 反応への準備
- さまざまな反応に対する準備: 人々の反応は予測できないものです。ポジティブな反応もあれば、否定的な反応もあるでしょう。どちらの場合でも対処できるように心の準備をしておくことが重要です。
5. サポートをみつけておく
- サポートグループやカウンセリングの活用: がん患者専用のサポートグループやプロのカウンセリングを利用することで、感情的な負担を軽減し、他のがん患者との経験を共有することができます。
6. 職場での開示に慎重になる
- 職場での開示は慎重に: 職場での状況を共有する場合は、人事部や直属の上司など、信頼できる人に限定し、自分のキャリアに与える影響を検討してから行うことが重要です。
7. 専門家の助言を求める
- 医療チームや心理カウンセラーと相談する: 自分の状況をどの程度、誰に、いつ話すべきかについて、医療チームや心理カウンセラーと相談することも有効です。
まとめ
がんと診断された方々が自分にとって最善の選択をするためには、適切なサポートと理解が必要です。一方で、がんという病と向き合う中で、自分の話をどう共有するかは、一人一人にとって非常に個人的な選択です。話す時にどこまで話すのかは、自分の中で線をひいておくのも自分の心を守る方法の一つです。
参考URL
上手に相談するコツを知ろう
相談しようと思っても、何をどう説明したらいいのか。順番に話すことが苦手、わからないことがわからない、とにかく不安、結局どうしたらいいのか教えてほしい。そうですよね、わかります。そんなときは、相談のステップと話しかけ方を知り、自分の相談はどのステップなのかを確認しましょう。相談できる場所を最大限活用してくださいね。