がんを体験する確率は二人に一人です。そう言われるとがん患者さんはたくさんいるような気がしますが、実際にがんになってみると周りに同じようながん患者さんがいない不思議について、乳がん患者数の統計を使って解説します。がん患者さんたちがSNSやネットで検索したくなる気持ちを納得してもらえるはずです。ネットを使うメリットを理解した上で、便利なネット情報を上手に使うための注意点についてもお伝えします。

乳がんになる人は、年間約10万人。45歳以上に87,000人が集中。

がんと診断される人が100万人いて、自分も含めて2人に1人ががんを体験します。なかでも乳がんは女性のがんの中では患者数が一番多くて、約10万人の97,142人が一年間に乳がんと診断されています。

がんになることを罹患(りかん)といいます。この罹患率を年齢別に表したグラフと見ると、45歳以上の年齢層でぐっと数字が上がっていることがわかると思います。乳がんの患者さんの87%は45歳以上に集中しています。つまり、45歳以上の女性の乳がん患者さんの場合、同じような年齢層の患者さんに出会いやすい、ということがいえます。

2019年の乳がん罹患率(女性のみ)https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/data/dl/index.html#a14:~:text=cancer_incidenceNCR(2016%2D2019).xls%EF%BC%88633KB%EF%BC%89より作成

集中ゾーンの45歳以上でも1000人中2〜3人、しかも全国のどこにいるのかわからない。

年齢層別の乳がん患者さんの数と人口から、女性1000人のうち、何人乳がん患者さんなのかを調べてみました。出会いやすい45歳以降でも、1000人中3人弱しかいません。しかもこれ、日本全国のどこかにいる1000人のうち、日本全国のどこかにいる乳がん患者さんの数です。つまり、リアルで出会うのは、かなり難しいのです。

おまけ:便利なネット情報、調べかたのコツがあります。

実際にリアルで出会うことはできなくても、ネット上には約10万人の乳がん患者さんがいるはずです。情報交換や先輩の口コミを読みたい気持ち、とてもよくわかります。しかし、この情報が本当かどうかの確認がとっても難しい。SNSも同じですよね。

正しい情報に手軽に早くたどり着いて、有益なネット情報を活用するために、どうやって調べると良いのかのヒントをまとめました。


まず、病気や治療の基本情報、公的な制度など、「正しい答え」があるものは、公的な窓口が丁寧な情報を公開しています。ここから検索してみましょう。何事も基本が大事。個人の体験を読むにも、基礎知識なしでは誤解してしまうこともあります。

  • がん情報サービス:がんに関する病気や制度についてのポータルサイト
  • eJIM(イージム):サプリメントや食品など、代替補完療法についての情報ポータルサイト

個人の意見は、SNSが便利ですね。SNSは、写真を見たり、つぶやきを読んだり、気軽に感じを掴むのに向いています。SNSはどんどん情報が流れてくるので、なんとなく長い時間見てしまいがちです。また、ずーっと見ていると、影響されやすいので注意してくださいね。似たような情報が集まりやすいので、テキトーなことも本当のことのように見えてきがちです。

ネットを見る時間を区切りましょう。アラームをつけるといいですよ。SNSを見てたら1時間経ってた!なんてことはよくあることです。画面を見続けるのは疲れますし、ほどほどに。

最後に、食べ物と塗るものと自由診療は、チャレンジ前に相談してね!!

がん患者さんの話を聞き続けて20年ちょっとの私の経験から、色々調べてみて実際にやって見る前に病院に相談したほうがいいことはこの2つです。

食べるものや体に直接塗るもの
自由診療の治療

治療と暮らしのバランスをとりながら、あなたの生活の質が上がることを、一緒に考えてみて下さい。

参考URL

厚生労働省eJIM | 情報の見極め方

「統合医療」情報発信サイトの「情報の見極め方(一般の方へ)」のページです。「統合医療」情報発信サイトは、民間療法をはじめとする相補(補完)・代替療法*と、どのように向き合い、利用したらよいのかどうかを考えるために、エビデンス(根拠)に基づいた情報を紹介しています。決して個人の責任で実施するさまざまな療法を制限するものではなく、また特定の療法を勧めるものでもありません。 ※相補(補完)・代替療法:近代西洋医学と組み合わせられる各種療法

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