がんは身近だけど、実際のスケジュールとかお金のことが不安な方へ。人は見えないものは余計に不安になる生き物です。ここでは、がん患者さんが体験する治療のスケジュールと拘束時間についてお話します。特に心配な仕事と収入については、相談窓口と制度についても補足しています。

1、入院と、外来の抗がん剤の基本スケジュールを見てみよう

がんの治療が始まると、病院に定期的に通うようになります。ほとんどのがん患者さんは外来で治療を受けており、個人差はありますが抗がん剤の治療も外来がメインです。管理が必要な治療の場合など入院して抗がん剤治療を受ける場合も、問題がなければ2−3日で退院です。

  • 手術の場合

手術を受ける場合は、1−2週間入院することがあります。この場合も、のんびり療養というよりは、検査して、手術して、リハビリして、帰宅後のセルフケアの練習して、リハビリして、とギュッとスケジュールが詰まった入院にびっくりする方も少なくありません。例えば、乳がんで乳房切除をする場合もたった10日程度の入院です。入院のスケジュールは各病院がネット上に基本スケジュールを示したクリニカルパス(クリティカルパス)を公開しています。

例えば、これは聖隷浜松病院がオンライン上に公開している胃を切除する入院患者さんのスケジュール表です。パスは患者さんの状態によって修正されますが、基本的にこれに沿って進んで行きます。早期離床といって早めに動くことが術後の回復に大切なので、切った翌日には起きて歩いてトイレに行きましょう!と声をかけられます。なんとか頑張ってここを乗り越えられるように、病棟のスタッフさんが応援してくれます。優しいけれどスパルタ的なところもあり、なんとも頼もしいです。

https://www.seirei.or.jp/hamamatsu/hama/DPC/2018/PDF/%E8%83%83%E5%88%87%E9%99%A4%E8%A1%93.pdf
  • 抗がん剤治療(外来)の場合

抗がん剤治療を日帰り(外来)で受ける場合は、予約時間に病院に行き、検査や問診を受けて、その後抗がん剤の点滴を行います。終わったら少し休んで、受付で支払いをして完了です。数日間かけて連続して点滴を続ける場合も、持ち運びできる点滴バッグがあるので外来で受けて持ち帰ることができます。患者さんたちはこのバッグをお供と呼んだりします。「今日はお供を連れてきたよ」とおしゃべりに来てくれる方もいました。

抗がん剤治療のあとは吐き気を抑える薬などいくつかの内服薬がでることがありますので、それを自宅で服用しながら次回通院時まで自宅で過ごします。体調が良ければ特に制限もなく普段通り過ごすことができますが、多くの人は調子が悪く横になりたい日があるのも事実です。

2、症状や副作用が、仕事、お付き合い、自分らしさ、に影響する

治療を受けることで、副作用や傷の痛みなど身体に影響がでることがあります。例えば、乳がんの手術をすると、手術した側の手で重たいものを持つのは避けなくてはなりません。また、抗がん剤の副作用で気分が悪くなったり、髪が抜けて見た目が変わることもあります。毎日朝起きて会社に行ったり家事をしていたことが、だるくて気持ち悪くて元気も出なくて、頑張りきれなくなることがあります。これは誰にでも訪れることで、気合根性では片付けられない症状です。

今までできていたことができなくなることは、頭でわかっていても気分が萎えます。これは治療のせいだとわかっているのですが、自分だけ取り残される気持ちになったり、見た目の変化で落ち込むこともあります。今までの自分とのギャップに自分に自信が持てなくなることもあります。

そのなかでお金のことも悩ましいと、落ち込むのは当然です。

3、治療費や収入の減少

がん治療にはお金もかかります。治療内容によりますが、抗がん剤治療の場合は1回数万円の自己負担があります。しかし、治療費は高額療養費制度があり、1ヶ月の窓口負担額の上限金額が決まっています。例えばお給料が月額40万円だと、月44,000円が上限金額です。それ以上は支払う必要はありません。4ヶ月目からは更に安くなります。

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3030/r150/

医療費よりも問題になるのは、収入の減少です。がん治療中も働くことはできますし、そのように国の制度で支援が整えられています。職場での配慮も進んできていますが、体調は万全とは行かず、続けていける人と難しい人がいます。

働けなくなったらどうやって生活していこうかと悩む方は少なくありません。日本では2024年現在、このようなお金に関する支援制度が用意されています。がん情報センターの生活費などの助成や補助に関するページを基にまとめると、このようなものがあります。内容は受診している病院のがん相談支援センターにご相談ください。

  • 支払いを減らす
    • 医療費は高額療養費制度(窓口負担を減らす)
    • 年金の支払い免除、保険料の分割納付
  • お金を受け取る
    • 傷病手当や雇用保険の基礎手当
    • 障がい年金、手当金
    • 福祉手当
  • お金を借りる
    • 生活費貸付制度(社会福祉協議会
  • 生活の立て直し
    • 生活保護

結論 がん治療は生活を変えますが、あなたは1人ではありません。

がんになるのは個人の身体で、あなたがその体の持ち主だったら、どこにも逃げることはできません。でも、あなたが治療しよう、生きようと決めたら、サポートする支援や制度があります。医療者と支援者は、あなたの治療だけでなく、治療しながらの生活、治療後の生活をあなたらしく続けていくために、共に考え提案し、協力をします。1人で全部立ち向かうのは大変ですが、支えがありますので、一緒にがんばりましょう。

参考URL

社会保険労務士による「がんと就労」電話相談 - 日本対がん協会

現在予約受付中のご相談日程 3月15日(金)午後、28日(木)午後 予約受付:こちらの専用フォームよりご希望日

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