がん患者さんの3人に1人は20〜60代の働き世代で、ある日がんと診断されるかもしれません。がんと診断されたときに、自分は仕事や役割を続けられるのかを考える5つのポイントをご紹介します。

項目に沿って、自分の状況を冷静に考えてみよう

仕事を続けたい気持ち、無理かもしれない気持ち、やめたい気持ち、いろんな気持ちがあると思います。ここでは、気持ちを考えることは一旦お休みにして、冷静に状況を考える5つの項目をご紹介します。

  1. 健康状態: がんの種類、ステージ、治療法、および副作用によって、健康状態は大きく異なります。一部のがん患者は、治療や療養のために一時的に仕事を休む必要があるかもしれません。特に治療の副作用は人によって様々です。同じ治療でも軽い人から重く出る人まで個人差があります。ご自分の様子を冷静に判断してください。
  2. 医療治療のスケジュール: がん治療は一定のスケジュールに従う必要があり、これは仕事との調整が難しいことがあります。スケジュールについては、治療が決まった時に説明がありますので、それを参考にして下さい。
  3. 仕事の性質: 仕事の種類や要件も考慮に入れる必要があります。たとえば、お薬の中には運転することが難しくなるものもあります。吐き気の副作用がある状態で飲食業は難しいかもしれません。自分の職場の特徴を考えてみて下さい。他の部署への移動の可能性もかんがえてみてください。
  4. 経済的な状況: お金の話は、その人にしかわからない問題です。がん治療や休職に伴う医療費、生活費など、収入が減ることで生活が難しくなる場合もあり、仕事を続けることが経済的に必要である場合があります。ただし、がん患者さんが働けなくなる場合には障害年金が貰える場合や、社会福祉協議会や市町村の生活費の無担保貸付の制度など、使える制度もありますので、病院のがん相談支援センターにご相談ください。
  5. 心理的な面: がん診断は精神的に負担がかかることがあり、仕事への影響も及ぶことがあります。不安で続けられないという方もいます。一方で、仕事はその人の社会とつながる場で、仕事をやめることで喪失感を味わうこともあります。自分にとって仕事はどんな役割なのか、考えてみて下さい。

もちろん、気持ちも大切です!

環境のことを考えることは大事ですが、同じくらい気持ちも大事です。あなたらしい人生が続けられるように、医療者も周囲も応援していますので、気持ちも大切にして下さい。

困ったら、がん相談支援センターに相談しよう

がん相談支援センターは全国の病院の中にある、がんのことを誰でも無料で相談できる専門機関です。役割や使い方についてはこちらの記事を御覧ください。

がん相談支援センター 全国にある一番身近な院内相談室 

患者さん本人だけでなく、患者さんのご家族や近しい人も相談できる病院内の窓口を紹介します。相談は無料で、だれでも、何回でも相談することができます。受付時間内でしたらふらりと行くこともできますが、事前に電話やメールで予約をす […]

参考URL

上手に相談するコツを知ろう 

相談しようと思っても、何をどう説明したらいいのか。順番に話すことが苦手、わからないことがわからない、とにかく不安、結局どうしたらいいのか教えてほしい。そうですよね、わかります。そんなときは、相談のステップと話しかけ方を知り、自分の相談はどのステップなのかを確認しましょう。相談できる場所を最大限活用してくださいね。

Follow me!