抗がん剤の副作用で髪が抜けることがあります。一言で「抗がん剤+脱毛」といっても、薬の種類やもともとの髪の毛の量によって異なります。そのため、髪が抜けていく時期にウィッグを使う場合は、サイズとかぶり方の工夫が必要です。

頭のサイズは体の大きさとリンクしていて、身体が浮腫むと頭皮も浮腫んで大きくなるし、太ると大きくなり、痩せると小さくなります。頭蓋骨の周りに少しだけついている頭皮ですが、体型変化で頭のサイズも変わります。あれ、ちょっと合わないかな?と感じた時に自分で簡単にできる方法をご紹介します。

この記事を最後まで読むのにかかる時間は約5分です。

1 インナーで工夫する

  • 髪の毛が抜けていく時期など、髪の毛がある状態でウィッグを使うと、髪の毛がクッションになり滑りやすい
  • 対策は、髪をしっかりまとめる、インナーを使う、ピンなどで固定する
  • 特に抜けていく時期は頭皮が痛くないようにインナーを上手に使おう

髪がある時は、まず髪をまとめましょう

髪の毛がある状態でウィッグを使う時は、髪をまとめてインナーの中にしまいましょう。髪の毛があると滑りやすいです。


実際に、このインナーキャップを使って美容師さんが髪をまとめて、ウィッグの中にしまう写真はこちらです。このように髪が多い場合は、機械植えのウィッグが使いやすいです。

ピンで固定する場合にも、インナーキャップは役立ちます

肌が弱い方や髪の毛が少ない時は、髪をまとめるインナーキャップを使うことをおすすめします。インナーにピンが絡んで頭皮に直接当たらず、頭皮に傷がつきにくくなります。


ウィッグには機械植えと手植えがあります。ウィッグの種類についてはこちらの記事をどうぞ。

はじめてのウィッグ探し 最初に知っておきたいこと

2 アジャスターを使う

後頭部にサイズ調整のできるアジャスターがついているものは、ここでも調節できます。


ゴムの端っこにS字のフックがついています。これがアジャスターです。


アジャスターを引っ張って、襟足のリボンに引っ掛けます。

アジャスターは締めすぎ注意

ただし、ここは頭の根元を締め付けることになるので、強く締めると頭痛を感じる方が多いです。また、血行不良で肩こりを感じる方も。ここはどちらかと言うと、ゴムが伸びてきた時に少しずつ使うことが前提です。また、外出時に心配な時に一時的に使うのも便利です。

また、締め付けすぎるとずり上がりやすくなります。頭の形にもよりますが、後頭部のぼんのくぼあたりまでずり上がってくることもありますので、アジャスターは様子を見ながら少しずつ調整してくださいね。

3 ウィッグ生地を縫い縮める

縫製が苦手な方でも大丈夫。多少ジグザグしていても、縫い目は外から見えません。縫製に使うのは、生地と同じ色の縫い糸です。透明の手芸用の糸を使う方もいます。このあたりは好みです。個人的には、手芸用の一般的な綿の糸が縫いやすいです。滑りにくく、使っていても伸びにくく、皮脂での劣化も少ないようです。

まず、生地の余っているところを確認します

ウィッグを実際に付けてみて、後頭部を指先でウィッグの上から触ってみてください。生地が余ってもたついているところ(ブカブカしているところ)を縦と横につまんでみてください。

縦につまむとフィットする場合は、縦に縫う

頭の周りのサイズが大きいです。この場合は、後頭部の両端を縦に縫います。つまむのは1〜2cmくらいです。それ以上の場合は、つまむ部分を数ヶ所に分けるとキレイに仕上がります。

襟足を横向きにつまむとフィットする場合は、横に縫う

おでこ〜襟足までの前後のサイズが大きい場合は、襟足を点線のように横につまむとフィットします。その場合は、点線のように襟足を横向きに縫います。縫い幅は1〜2cm。こちらも縦に縫う場合と同じく、たくさんつまむ場合は数回に分けるとキレイに仕上がります。

 

4 ウィッグは調整しながら使いましょう

抗がん剤や脱毛症などで髪の毛の量や頭皮の状態が変わる場合は、その時時でインナーやサイズ調整を工夫しながら使ってください。初めてのことで難しいな、という方は買ったお店やカットをお願いする美容室でご相談ください。フォロー方法の相談だけでもできる場所もあります。

病院内のがん支援相談室でこのような相談ができる場合もありますので、お困りの方は是非気軽に聞いてみてください。


ピアではどこのウィッグをお使いの方でも、使い方の相談は無料です。オンラインでの相談もできますので、どうぞお気軽に。

https://speak2you.net/ver2023/archives/29

6 一人で不安にならないで

がん治療が始まると、初めてことがたくさんやってきます。それは、多くの人が感じる不安で、当然のことです。どうぞ一人で不安にならないで、遠慮なく近くの医療者にご相談ください。医療チームはいつでもあなたの味方です。


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